走り庭から東玄関側を望む。厨子二階の程よい高さの火袋がそのままに残っています。古いながらも当時のままに美しく残っています。水屋箪笥もそのまま現存
住宅地として使えるエリアでは、稀にみるきれいに残った町家のご紹介です。
間取りも一列三室型の王道パターン。通り庭も土間のまま残っていて上の吹き抜け空間の火袋も比較的きれい。奥庭も植栽含めほぼそのまま。座敷の床の間などはきっと竣工当時のものでしょう。外観も庇の水平ラインが美しいです。市内に散見する町家のそのほとんどは既に民泊仕様や飲食仕様などに改修されたものが占めてくるようになりました。古いままの雰囲気を活かして住みたいのに、という希望を持たれてる方には非常にツボな町家かなと思います。
先ずは外観から。厨子二階と呼ばれる造りは武士を商人が見下ろさないようにといった配慮からできたもの。二階は天井が低く開口も狭いので暗いため物置程度にしか使えないですが、庇の水平ラインが二つ重なってる様はとても美しいものです。格子もきれいに残っており、屋根、壁、雨樋、駒寄せを改修すればきっと見違えるはずでしょう。
玄関を入ると小さな土間空間で横には六畳間の和室があります。そこから土間を奥に進んでいくと火袋吹き抜けのある台所空間に。おくどさんこそ残ってはいませんが、水屋箪笥に挟まれてタイル貼のシンクと作業台がきれいに残っています。その横に二階への階段と三畳と四畳間の和室。台所寄りの和室は土間にしてしまって、広い土間キッチンダイニングへと改修しても面白そうですね。水屋箪笥もきれいに残っているのでうまいこと活用したいものです。台所から奥に行くと風呂やトイレなどが並ぶ裏庭へ。座敷と奥庭側にもトイレなどはありますが、客と家人が使い分けれるように配慮されたレイアウトですね。
八畳間の座敷と奥庭の景色はセットなのでここは和室のままにきれいに改修出来たら美しく甦ることでしょう。
その奥には二階建ての離れがあるのですが、こちらは構造的にかなり傷んでおり、骨だけにしてからの大改修が必須となります。いっそ平屋にしてすっきりさせてもいいかと。新たに水回りも付け加えて、手前で商い奥で住むといった使い方も面白そう。奥行きがきちんとあり間口も広い作りだからこその活用の可能性。妄想は広がりますね~。
町家のような伝統工法は、一つ一つの構造がすべて意味があり、全体で大きな強度を出すように構成されています。柱や壁一つ取ったり動かしたりするのでも、きちんと設計さんや大工さんと打ち合わせたうえで計画を立てていくのがいいでしょう。
正直手間はかかります。冬場に快適な仕様にするためにはかなりの予算も要するでしょう。そこを差引してもこの魅力的な町家を残して住んでみたいという方は是非。
桝形商店街も近く、御所も徒歩数分のステキな京都生活が送れることでしょう。
お気に入り
- 価格
- 1億3,800万円
- 建物面積
- 141.46㎡
- 管理費
- なし
- 修繕積立金
- なし
- 所在地
- 京都市上京区今出川通西入上る一丁目柳風呂町181番地 他2筆
- 交通
- 京阪電鉄鴨東線「出町柳」駅 徒歩9分
- 建物構造
- 木造/瓦葺き平屋建て
- 所在階
- 築年
- 土地権利
- 所有権
- 敷地面積
- 194.39㎡
- 都市計画
- 市街化区域
- 用途地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 建蔽率/容積率
- 60/200
- その他費用
- 設備
- 電気/上下水道/都市ガス
- 備考
- 地目:宅地/私道負担:無し/総戸数:1戸/現況:空室/引渡時期:相談/準防火地域/歴史遺産型美観地区/近景・遠景デザイン保全地区/屋外広告物歴史遺産型第2種/接道:東側公道幅員約4.3mに約7.8m面す//庭付き/1階・路面
- 取引態様
- 媒介
情報修正日時:2025年1月7日
情報更新予定日:2025年2月1日
※掲載の情報が現状と異なる場合には、現状を優先するものとします。
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