光と風と、すこしの自由

町家というと、暗くてしっとりした空間を思い浮かべるかもしれませんが、この家はそんな印象をいい意味で裏切ってくれます。
南側の窓から光が差し込んで、家の奥までじんわり届く。風も、ふとした拍子にすーっと通り抜けていって、なんだか深呼吸したくなるような気持ちになる。そんなふうに、暮らしの中に自然が入り込んでくるような町家なのです。

玄関まわりには土間が残されていて、靴のまま腰かけたり、季節の草花を飾ったりするのにちょうどいいスペースに。室内は、年月を重ねた趣を残しながらも、しっかりと手入れされていて心地よく過ごせそうです。床や建具にはほどよい味わいがあり、照明もごく控えめ。だからこそ、自分らしく手を加える余地が残されています。貸主の事前承諾の上、DIYも相談OKとのことなので、少しずつ手を入れながら自分の居場所に育てていく楽しみがあります。

場所は「鞍馬口」。地下鉄の駅から徒歩圏内という便利さがありながら、周囲は静かな住宅街。すぐ近くには相国寺や御霊神社があり、観光というよりも“暮らし”の京都が息づくエリアです。だからなのか、このあたりはなんとなく「気」が良い。うまく言えないのですが、訪れるたびに、やっぱりいいなと思わせてくれる。そんなエリアなのです。少し歩けば、賀茂川の川べりへ。毎度のように川を推してしまっている気もしますが、ここに来るとやっぱり言いたくなるのです。それくらい、この川には惹かれるものがあります。にぎやかな観光地ではなく、日々の暮らしに寄り添う場所を求めている方にこそ、このエリアの良さを感じていただけると思います。

そして最後に。
水まわりはリニューアル済み。お風呂もトイレも使いやすく整えられており、古さを感じさせない快適さが確保されています。しかも、猫との暮らしもご相談いただけます。これはもう、ちょっと嬉しい驚きです。