ズラリと並んだ長屋の中で

五条大橋から東に進み、五条通りを少し北に逸れると現れる昔ながらの長屋群。今までも数件紹介している長屋ですが何度訪れても、たった一本脇道に入るだけで感じる静寂に魅せらてしまう。

改装後はシンプルでナチュラルな内装に。1階、無垢の床材には一歩一歩、足の裏に喜びを与えてくれるような心地良さ。以前紹介した頃はまだまだフレッシュだった色合いが、深みと艶のある飴色に成長していました。今後の変化も楽しみながら暮らせそうです。リビングダイニング奥には綺麗に砂利敷きされた庭があります。何もないプレーンな空間なので植物を散りばめたり、自分好みの庭にカスタムしてみましょう。

2階はベニヤを張り合わせた壁面。その上を交錯する、長年この長屋を支え続けてる梁が印象的。間取りとしては4.5畳と6畳ほどの部屋が連なり、それぞれに小さなスペースが付いてます。デスクワークや作業場、趣味などに没頭する為の部屋にするのも良し、物置やクローゼットのような収納部屋にしても良さそうです。東側にはバルコニー、西側にも路地に面した窓があるので風も良く抜けて行きます。またそこから望む風景は長屋の軒が連なり風情たっぷり。

また階段の写真（10枚目参照）を見て、その角度に驚く方もいるかもしれませんが、踏み板の奥行きは広めなので、上る際は安心感がありますが、下りは少し急に感じるかと思います。言わば、行きはよいよい帰りはちょっぴり怖いかも…という具合。とは言え、すっきりして懐かしい印象を受けるこの意匠が好みだという方も多いはず。

広々とした玄関土間、玄関からすぐにアクセスできるウォークインクローゼット、デザインと利便性を兼ね備えた特大キッチンなどなど、シンプルながらこだわりを凝縮した改装を施された町家。周辺にはホテルが建築されていく中、昭和の空気感を保った路地。ほんと素敵ですよ。